Vol. 1「皮」が「革」になるまで
鞄に靴など、私たちの生活の中にごく当たり前にある革製品。
動物の皮を素材とした製品ですが、始まりを問えば、人類が狩猟を始めた原始時代からずっとずっと私たちの生活をサポートしてくれてきた大切な素材です。昨今、革に似せた化合品も多くありますが、本革の風合いは化合品にはどうしても追いつけない味わい深さ、なんというか愛おしさがある気がします。
さてさて、古から私たちを支え続けてくれている革製品ですが、あまりにも身近すぎて、そういえばどうやって製品になるのか、気に留めたことがない人が大半だと思います。漢字で書くと分かりやすいのですが、動物のカワは「皮」、それを製品の素材をして使えるように加工したのが「革」です。
では「皮」はどのようにして「革」になるのでしょうか。
「皮」は、腐敗しないよう塩漬けにして革加工場「タンナー」へ送られてきます。そしてまずは、塩や汚れ、毛を落とすため洗いにかけます。
そして「皮」が「革」になるための大切な行程、「なめし」に入ります。「なめし」とは、簡単にいうと、生き物であった「皮」は当然ながら腐敗したり、固くなったりしていくのですが、それらを防ぎ、製品に加工できる素材とする行程です。
なめした革は、それぞれの製品に合わせて、色付けや型押しなどの加工がほどこされ、鞄や靴などを作る素材として旅立っていきます。
元をたどれば、食料として狩っていた動物。その皮を、まずは体を暖めるため、そして生活用品として様々に応用し、加工していった人類の長い歴史と知恵が、革製品には詰まっているんだと思うと感慨深いですよね。