JOURNAL

Cisei ショールーム開設

Cisei ショールーム開設

ブランドを立上げて15年が過ぎました。あきらかに流行りや時代は変わり、特にここ2年は色々な意味で大きな変化ばかりの時間となっているかと思います。仕事の仕方、人との接し方、その他生活習慣や余暇の過ごし方、またはファッションまで、強いられたり、気付いたり、いつの間にかそうなっていたり、環境の変化に対応すべく考えついた事であったり、私たちは今、様々な変化の瞬間を生きているといっても良いでしょう。 Cisei というブランドを通して、その小さな過去を振り返った時、実はとても変化の少ない時間を過ごしていたことに気づきました。新作の考案から、業者様の為の展示会、受注を頂き生産する、というルーティーンをこなす事に追われ、いろいろな事を見落としたり、後回しにしていたかと思います。 15年前とは比べものにならない程発達した、インターネット環境を礎とするEコマースなどの新ビジネススタイル、SNSなどを通し多くの人との間で縮まる距離感や容易な発信力の可能性、海外にいながらのコミュニュケーションも今ではほぼ無料にて快適に行うことができます。そんな現在に、改めてCiseiとしてするべきことを考えた結果、- お客様のもっと近くに- 実物の製品を手に取り見て欲しい- 定番だけでなく多くの品番を紹介したいなどが挙がり、それらの夢を叶える為、直営にてショールームを開設することにしました。 今までの、職人、デザイナーと言った職種とはまた全く違うサービスにおいて、皆様にご満足いただける様、上手にこなせるかはとても不安ではありますが、是非お越し頂ければ、嬉しい次第です。少人数にて安心して時間をお過ごし頂けます様に、御来店は完全予約制とさせていただいております。お手数ではありますが、メールにてお問い合わせください。   Cisei Showroom2021年11月12日オープン 住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-22-1-2Fメールアドレス:showroom@cisei-firenze.com営業日時:月・土曜日 11時~20時備考:予約制になりますので来店する3日前までにメールアドレスにご連絡をお願いいたします・ご希望来店日(月曜or土曜のみの営業となります)・ご希望商品(オンラインサイトより商品の品番、お色を記載ください) 例)0901 LD BRIEFCASE COL.NAVY(T) ※注意:オンラインサイトで販売していない商品&ソールドアウトの商品はご用意出来かねます。担当:鈴木 ※メイドバイオーダーについてCisei + h(メイドバイオーダー)はデザイナーの大平が日本にいる際に受注会にてご案内いたします。受注会のご連絡はHPにてご案内いたします Cisei + h ショールーム開設に合わせ、メイドバイオーダーの新ラインを準備いたしました。 私、大平の帰国時に、受注会を設けさせて頂きますので、お問い合わせください。 量産品では使われていない素材や、製法を駆使し、自社工房内のみで作成いたします。 通常のデザインをベースの商品から、+h 限定品番などを準備いたしています。 ブランド名は本名の智生をイタリア語読みにした Cisei に本来のスペルに必要な...

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CLOTS×CISEI<br />C601 WOODEN FRAMED SUNGLASSES

CLOTS×CISEI
C601 WOODEN FRAMED SUNGLASSES

若い時から、サングラスは好きで、色々と買っては紛失や破壊などを繰り返していました。その数はかなりになるかと思います。 イタリアに渡り、その強い日差しの中の生活では必需品となり、更にサングラスに対する興味は深まるのですが、近年、老化により突如必要となった老眼鏡をきっかけにメガネデザインへの想いが一層大きくなり、そんな中で再会した同級生の運営するブランドを知り、今回のコラボレーション商品を作らせてもらう事になりました。 もともと素材としても、興味のあった、木材。 そして、木材の性質的なデメリットを補うカーボンファイバー使用の構造、Clots の製品には私のデザインを表現するための土壌がすでにありました。 バッグ同様、自然素材の持つ、個性や暖かみを大切にした製品に仕上がっています。 通常のアイテム、プラスワン、と言う気分を是非味わっていただきたいと思います。 大平智生   C601 WOODEN FRAMED SUNGLASSES   ※入荷数量には限りがございますので是非お早めにご覧ください。   商品はこちら

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コラボレーション企画第二弾<br />新作クラッチバッグ 誕生

コラボレーション企画第二弾
新作クラッチバッグ 誕生

1233 2 ROOMS CLUTCH BAG WITH HANDLE 外出時の持ち物の少なくなりつつある現在、それらを運ぶための容器であるバッグ類のサイズも小さめのものが多くなっています。今回はその、ミニマムなサイズ感の中で、機能性もこだわり求め、画期的な2室構造のクラッチバッグが完成しました。裏から表にかけて続く、贅沢に裁断された2枚の革パーツから構成される構造は、その接合部を上手に使い内側にジップ付きのポケットを生み出しています。そして、その接合に必要なステッチを活用して更に2つのミニポケットを内部に配置、小さいながらも多機能な構造になっています。現代生活の中で様々な外出を想定し、何度も話し合いを重ね、誕生した一点となります。多様なシーンでご愛用頂けると思います。 ※入荷数量には限りがございますので是非お早めにご覧ください。   商品はこちら

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Cisei Wリングベルト C2001 誕生

Cisei Wリングベルト C2001 誕生

日差しも強まり、自宅に閉じこもりはじめた頃とは、すっかり季節も変わりました。イタリアでは、だいぶ通常の生活に戻りつつありますが、油断のできない状況は続いています。また、先のことを考えるのが、どうしても辛い事もあるかと思います。世界中がいまだに不安の中で暮らしているのは事実です。そんな生活の中でも、アイディア次第で、新しいモチベーションが生まれることもあります。 私事ですが、次の帰国予定も決められない薄暗い日々の中、偶然誘われたWeb呑みに、時差の壁を超えて参加した事から、新しいスタイルのコラボレーションが誕生しました。 オーディエンスありのオンラインミーティング上での商品企画〜動画での紹介と言う新スタイルで、直接お客様の声も聞くことも出来、外に出られない分、逆に作り手とお客様との距離感を、とても近付けることも叶ったように思えます。 コレが定着するスタイルなのか分かりませんが、新しい試みによる、満足感は得られました。それが皆様と共感できる事と願いながら、創作活動を続けていきたいと思います。     このような経緯により制作された、かつてのオリジナルWリングベルトC2001の復刻版が、ついに入荷いたしました。※入荷数量には限りがございますので是非お早めにご覧ください。   商品はこちら

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Ciseiのトートバッグが出来上がるまで

Ciseiのトートバッグが出来上がるまで

皆様、いかがお過ごしでしょうか。イタリアでは、2ヶ月間ほど厳重な外出禁止令が発令されておりましたが、工場なども全てストップ、実質的に生産活動が不可能となっておりました。その間に、新しい挑戦への一環として、独り、工房にて動画を製作いたしました。初めての経験ゆえ、撮影、編集共に満足のゆくものにはなりませんでしたが、Cisei のバッグがどの様に造られているのか、ご興味をお持ちいただければ幸いです。     なお、動画中使用の素材は、サンプルの色となり、申し訳ございませんが現時点で発売予定は未定となります。何卒ご了承ください。   0946 TOTES はこちら

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製品のお手入れ方法

製品のお手入れ方法

こんにちは、Ciseiの職人兼、CEO(笑)の大平です。今回はこの場をお借りして、少しだけウンチクを、、、 お客様から頂くお問い合わせの中で一番多いのが、「製品のお手入れ方法」なのですが、それに関して少し個人的な意見になりますが、ご案内させていただきます。 通常、タンナーや革屋さんに製品メーカーとして革を買いに行くと、まず我々が何を作っているのかを聞かれます。商談を始める前に、その革が使用される目的が靴なのか、バッグ類なのか、あるいは衣料か、など革屋さんは知りたいのです。 なぜなら、革屋さんが自信を持って紹介する様々な素材も、製品の用途によって仕上げ方法が変わってきます。 例えば、靴(特に紳士靴)に使用される皮革は、製品の完成後に磨きなどの仕上げがされる為、革の仕上げ時点では色止めなどの加工はされていません。それ故、ご使用後もクリームやワックスなどが素材に入り込みやすく、お手入れがしやすく出来ています。 対しまして、カバン用や衣類用に仕上げられる革素材には、通常どこのタンナーの革も表面に色止め加工などが施されています。革製品との接触が予想される衣類や持ち物に色移りをさせない為です。 加工の度合いや手法はメーカーによって様々です。防水や退色を防ぐ事が目的のしっかりとした加工から、素材の風合いを重視した最低限の加工まで色々とあり、手法は、顔料を表面に吹き付ける場合や極薄のフィルム状のものを貼り付ける、など各社それぞれの方法を用います。 さて、そんな表面に色止め加工のされた皮革のお手入れ方法は? となりますと、、、「基本的には必要ありません」というのも、革の色が接触物につかない様表面に色止め加工が施されているという事は、上からクリームやオイルなどを塗っても、その加工がある為素材の内部まで入り込み難く、浸透する事なく乾いてしまいます。 ただし、元々加工が施されているので基本的にはお手入れの必要がない、とは言ったものの、使用の頻度や状況、そして普段の保存方法などにより、自然素材である皮革は劣化し、必ずしも新品の状態を保てるというわけではありません。鞣しの段階で施された劣化を防ぐための仕上げや先述の色止め加工も、使用頻度を増すにつれ弱まっていきます。また、保存状況の湿度によってはカビも発生してしまいますし、最も取り返しのつかない変化は乾燥によるひび割れなどです。人間の肌と同じように、乾燥によって油分の抜けてしまった皮革は硬くなり、ひび割れます。素材の質感に変化を感じるようになってきたら、適度なお手入れをお勧めします。 そのお手入れに関しまして、私が個人的に愛用する製品をご紹介させていただきます。   Renapur(ラナパー) 1988年、Renapurはドイツ南部の田舎街で生まれました。ドイツは日本と同じく四季があり、冬には豪雪地帯となるこの地域では、伝統衣装や大切な革製品を保護するためのメンテナンスは欠かせない事だったのです。Renapurは、創業者Schindler一家の手により、当時と変わらないレシピで、今も一つ一つ大切に造られており、天然由来の製品なので、使い方が非常にシンプルです。特別な使用方法は無く、製品に塗るだけで十分な効果が得られます。 少し高価ですが、内容量はたっぷりで長く使えますし、色々と試した製品の中で最も効果があったものと思われます。使用方法も簡単で、説明書にある通り付属のスポンジで製品を薄く伸ばすように塗っていくだけです。塗りたては少しべたつきますが、半日ほどで気にならなくなりますので、風通しの良いところに少し放置した後ご使用下さい。※素材によっては不向きな場合もありますので、まずは目立たない箇所で必ずお試しください。  

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Vol. 3 皮加工場「タンナー」見学

Vol. 3 皮加工場「タンナー」見学

原料の「皮」から、製品の材料となる「革」を作る工程を担うのが「タンナー」。皮を洗い、なめし、色つけ、加工し、それぞれの製品に合わせて皮を加工していきます。今回、実際にイタリア・トスカーナ州にあるタンナー「LUFURAN」を訪問しました。 「LUFURAN」との出会いは、クライアントの持ち込んだ革を気に入り、当時はまだ使うあてもないタンナーを紹介してもらったことがきっかけでした。 「LUFURAN」はイタリアでも数社でしか行っていない、コスト高になっても品質を保ちながら環境問題に配慮したアルデヒドなめしと呼ばれる製法を行っています。この製法がCisei製品に独特な風合いを表しています。 いまでは年月培ってきたお互いの信頼関係により、良きパートナーです。   案内して下さったのは笑顔がキュートなカルラさん、代表のひとりです。こちらの工場では、長年、昔からある従来のなめし法で、自然の素材を使ったアルデヒドなめしを用いています。後ほど開発されて、その便宜性から業界を折檻した「クロムなめし」の環境汚染が問題視されるようになってから、伝統を守り続けてきたこちらの工場は今再注目されています。 工場は広々として明るく、かなり機械化されている印象です。 フェンスの向こうにはこんな大きなドラムがあり、製品に合わせて、洗いや着色などの加工がされていきます。 しかし、生き物であった皮ですから個体それぞれの違いや、また作業も湿度や気温に左右されたりしますので、やはり人間の繊細な感覚や、熟練した知識が欠かせません。 機械でおこなわれるひとつひとつの工程の間に、人の手がしっかりと添えられていくさまを見ていると、皮を手に入れるということの貴重さ、それを使うようになった長い歴史、革製品が生活に与えてくれる便利さ、豊かさ、温かさ、使っていくうちに感じる愛着、その全てを含めて、ああ、こうやって作っているからなのだなと、とても納得がいく気がしました。   VIEW ALL

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Vol. 2 革の「なめし」と環境問題

Vol. 2 革の「なめし」と環境問題

動物の「皮」が原料である「革」製品。原料の「皮」が、製品の素材「革」なるには「なめし」という行程が必要になります。簡単に言うと、生き物であった「皮」は、自然と腐敗や硬化などの劣化をしていきますが、それらを防ぎ、製品に使える素材として加工するのが「なめし」です。 思えば、革製品は、狩猟を始めた原始の頃から人類とともにあったもの。自然の理に反する、「腐らない」「固くならない」知恵をその頃から持っていたなんて、改めて驚きです。 さて、時代が進むにつれ「なめし」の技術も進化していきました。革製品の産業拡大にともない開発されたのがクロム鉱石を使う「クロムなめし」。従来のなめし法より安価で大量に生産できる上、従来の方法より「発色がよく、変色が少ない」「革の弾力性を保つことができる」「柔らかい革から硬い革まで作ることができる多様性」など利点が多くあり、急速に世界中に広まり多く使われるようになりました。 革製品の生産拡大に大いに貢献したこの方法ですが、近年、クロムによる環境汚染が問題視されるようになりました。クロム自体に毒性があるのではないので、製品自体の安全性に問題はありません。 しかし、工場排水に含まれる重金属が環境破壊につながるため、いまでは排水の規制が強化されています。また、工場で働く人にも重大な健康侵害がみられることが分かり、現在では使用自体を縮小する傾向にあります。 クロムなめしを縮小するにあたり、再度見直されてきているのが従来のなめし法です。例えば、植物から抽出したタンニン剤でなめす「タンニンなめし」などは「フル・ベジタブル」として、環境保護の視点から注目を浴びています。他にもミョウバンを使った「アルミニウムなめし」や「アルデヒド」を使うなめしなど、伝統的な方法が今見直されています。しかしどのなめし法も一長一短で、発色、革の柔軟性、耐久性を幅広く網羅するクロムほどの便宜性はなく、より良い方法が日々試行錯誤されています。 私たちの生活を原始からずっと支え続けてきた革製品。その先人たちの知恵も借りつつ、新しい知恵も加えつつ、環境問題というハードルを越えて、革業界はさらなる発展を目指し動いています。   VIEW ALL

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Vol. 1「皮」が「革」になるまで

Vol. 1「皮」が「革」になるまで

鞄に靴など、私たちの生活の中にごく当たり前にある革製品。 動物の皮を素材とした製品ですが、始まりを問えば、人類が狩猟を始めた原始時代からずっとずっと私たちの生活をサポートしてくれてきた大切な素材です。昨今、革に似せた化合品も多くありますが、本革の風合いは化合品にはどうしても追いつけない味わい深さ、なんというか愛おしさがある気がします。 さてさて、古から私たちを支え続けてくれている革製品ですが、あまりにも身近すぎて、そういえばどうやって製品になるのか、気に留めたことがない人が大半だと思います。漢字で書くと分かりやすいのですが、動物のカワは「皮」、それを製品の素材をして使えるように加工したのが「革」です。では「皮」はどのようにして「革」になるのでしょうか。 「皮」は、腐敗しないよう塩漬けにして革加工場「タンナー」へ送られてきます。そしてまずは、塩や汚れ、毛を落とすため洗いにかけます。 そして「皮」が「革」になるための大切な行程、「なめし」に入ります。「なめし」とは、簡単にいうと、生き物であった「皮」は当然ながら腐敗したり、固くなったりしていくのですが、それらを防ぎ、製品に加工できる素材とする行程です。 なめした革は、それぞれの製品に合わせて、色付けや型押しなどの加工がほどこされ、鞄や靴などを作る素材として旅立っていきます。元をたどれば、食料として狩っていた動物。その皮を、まずは体を暖めるため、そして生活用品として様々に応用し、加工していった人類の長い歴史と知恵が、革製品には詰まっているんだと思うと感慨深いですよね。   VIEW ALL

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